ソノヒマデ

俺の日々だったり思うことだったり

7年ぶりに実家に帰った

実家にはもう二度と帰らない、と思った時期があった。
俺が一方的に両親を嫌っていた。言ってはなんだが、昔からどこか抜けたところのある両親だった。
家は汚いし料理はまずい。人の顔を見れば早く結婚しろと言う。その無頓着さと無神経さにイライラしてもう会わずに生きようと頑なに思っていた。
両親は気づいていた、俺に嫌われていることに。そして深く傷ついていた。それでも両親は俺に連休の度に帰って来いと電話やメールで言い続けた。
時に俺の健康を気遣って食い物を贈って来たりもした。

そしてある日、あまりに帰らない上、無粋な態度ばかり見せる俺に一通のメールをよこした。
『ごめんなさい』と。
結婚してないことを責めたことに対する謝罪だった。内容は少し俺の感じていたものとはズレたものであったが。

あらゆる物事におけるセンスというものが欠落している残念な両親であるが、どちらも悪い人ではない。
純粋で、とても優しい人たちだ。
俺は逆に、謝らせてしまったことに申し訳ないと思い、自身を恥じた。
そして「帰ろう」と思った。

実家はそれほど遠くない。バイクで片道2時間の距離。神奈川にある田舎町に俺の実家はある。
俺が帰ると、両親は快く歓迎してくれた。
子供の頃のままに、一切の遺恨なく、終始笑顔でもてなしてくれた。
来て良かったと素直に思った。

俺は一週間の滞在の後、実家を後にした。

また帰ろう、と思った。